依頼先を絞り込むとき、目を通すべき点はそう多くありません。次のあたりを確かめておけば、選び方で大きく踏み外すことはまずないでしょう。
最初に見ておきたいのは、自社が出すモノに合う収集運搬の許可を備えているかどうか。パソコンを出すなら、廃プラスチック類・金属くず・ガラスくずの区分の許可が欠かせません。許可は品目ごとに区切られているので、自社の廃棄物がその許可でまかなえるかが、まず確かめる点になります。
続いて確かめたいのが、見積もりが品目・量・運搬・処分に分かれ、内訳をたどれる形かどうか。まとめた総額だけを示されると、その金額が妥当かどうかを見比べられません。あわせて、優良認定(法令順守や情報公開などの基準を満たした業者への公的な目印)を受けているかどうかも、相手選びの手がかりになります。
山梨県内の収集運搬は山梨県知事の許可でまかなえるので、本社が県内のどこにあっても選び方は変わりません。ただ、引き取り現場から離れた業者ほど運搬費が上乗せされやすいので、近くで動ける業者も候補に加え、同じ条件で2〜3社に見積もりを頼んで内訳を突き合わせるのが堅実です。
用心したいのは、「完全無料で回収します」と大きく打ち出す業者です。処理を正規の経路に通していない場合があり、そこが不法投棄などを招くと、廃棄物を出した会社——法律でいう「排出事業者」——の側にまで責任が向かいかねません。
無料を強くうたう相手ほど、産廃の許可があるか、そしてマニフェスト(引き渡した廃棄物が最後まで適正に処理されたと示す伝票。正式には産業廃棄物管理票)を出してくれるかを、依頼の前に確かめておいてください。許可の考え方は許可と優良認定のしくみでも取り上げています。
業者を当たる前に、まず区分をはっきりさせておきましょう。手放すものが「産業廃棄物」か「事業系一般廃棄物」かによって、頼む相手が変わってきます。ここを見落とすと、選んだ業者に受けてもらえず、選び直しになりかねません。
事業で出るごみは、次の2つのいずれかにあてはまります。
産業廃棄物 → 産廃処理業者へ
廃棄物処理法が産業廃棄物と定める20種類のごみです。廃プラスチック類・金属くず・ガラスくず・汚泥・廃油などがその代表で、これらは業種にかかわらずどの事業所から出ても産業廃棄物になります。
会社で見かけるのは、廃プラスチック・金属・ガラスがひとつになったパソコン、スチール什器やロッカーの金属部分、飲食店で使い切った廃油といったものです。これらは家庭ごみにも事業系一般ごみにも混ぜられず、その区分の許可を持つ産廃処理業者に任せます。自社の廃棄物がどの区分に入り、その許可を持つ業者かを確かめるのが、まず踏むべき手順です。
事業系一般廃棄物 → 市町村の一般廃棄物業者へ
いっぽう、20種類に入らない事業ごみは「事業系一般廃棄物」と呼ばれ、頼む先が変わります。まず思い浮かぶのは生ごみですが、会社から日々出るコピー用紙や段ボール、木の机・椅子の多くも、実のところこちらに含まれます。
任せるのは産廃処理業者ではなく、市町村が許可した一般廃棄物の収集運搬業者になります。同じ会社のごみでも、パソコンや金属くずは産廃業者へ、紙や生ごみは一般廃棄物業者へと、品目によって行き先が枝分かれします。
見分けにくい「紙・木」
とりわけ悩ましいのが紙と木で、これは排出する業種によって産廃にも一般ごみにもなります。紙くず・木くずが産業廃棄物になるのは、建設業・製紙業・印刷業・製本業・家具製造業といった、法律が定めた業種から出たときにかぎられます。
裏返せば、ふつうの会社や小売店、飲食店から出るコピー用紙・段ボール・木の家具は、同じ素材でも事業系一般廃棄物として扱われます。「紙や木なら産廃」と決めつけて産廃業者に持ち込むと、区分が食い違って断られることもあるので、自社の業種ではどちらになるかを先に確かめておくと安心です。区分の線引きは産業廃棄物と事業系一般廃棄物の違いにまとめています。
なお、産業廃棄物も事業系一般廃棄物も家庭ごみの集積所には出せず、排出した事業者が自らの責任で適正に処理する決まりです(自己処理責任)。産廃の窓口が案内しているのは、このうち産業廃棄物を扱う業者です。事業系一般廃棄物だけを手放したいときは、市町村が紹介する一般廃棄物の許可業者へ相談してください。
見積もりを求める前に、出す品目の区分とだいたいの量、来てほしい場所と希望日、あわせて処分したいものを控えておくと、返ってくる見積もりが具体的になります。量は写真を数枚添えると伝わりやすく、やり取りの回数も減らせます。
準備が整ったら数社に同じ条件を伝えて見積もりを取り、中身に納得できたら書面で委託契約を交わし、回収日を取り決めます。問い合わせから引き取りまでに要する日数は、早ければ数日、繁忙期でも1週間ほどをみておけばよいでしょう。
各社への連絡は、公式サイトや電話からじかに取ります。産廃の窓口があいだに入って営業をかけることはありません。回収の当日にマニフェスト(産業廃棄物管理票)を受け取り、処理を終えて戻ってくる控えと照らし合わせれば、最後まで適正に処理されたことを確かめられます。契約書やマニフェストの実務は委託契約とマニフェストの基本にまとめています。
費用は依頼先や地域、量によって大きく上下するため決まった相場は出せませんが、事業所からよく出る品目のおおよその目安は下のとおりです。いずれも幅のある数字で、運搬費や出張費は別にかかります。
| 品目 | 費用の目安 | メモ |
|---|
| パソコン | 本体1台 1,000〜3,000円 | データ消去は+2,000〜5,000円/台。新しめの機種は買取で0円になることも |
| 複合機・コピー機 | 1台 5,000〜15,000円 | リース物件は返却が原則(自社では廃棄できない) |
| オフィス家具・什器 | チェア〜1,000円/デスク〜3,000円/会議テーブル〜5,000円 | 状態が良ければ0円引き取り・買取になることも |
| 共通の固定費 | マニフェスト管理費 1件 200〜500円 | このほか運搬費・出張費が別途かかる |
ここに載るのは1点あたりの目安で、実際に支払う額は「単価 × 点数」に運搬費と出張費が加わって決まります。数がまとまってトラック1台に積める規模になると、1点あたりの運搬費はかえって下がり、まとめて出したほうが割安につくこともあります。単価の合計を見て構えるより、運搬・出張費まで含めた総額を見積もりで出してもらうと、実際の負担が読めてきます。
品目によって費用の決まり方が違うところも、頭に入れておくとよいでしょう。パソコンはデータ消去を付けるかどうかで金額が動き、状態のよい什器は買取に回って持ち出しが生じないこともあります。自社が出すものが買取や無料引き取りの対象になるかどうかは、見積もりのときに一緒に尋ねてみてください。
工場や製造現場に据えられた重量のある大型の設備・機械は、什器1点あたりの単価では費用を割り出せません。分解や運び出しに手間がかかるため、現地を確認したうえでの個別見積もりになります。解体から搬出まで一括で任せられるかどうかも、あわせて聞いておくと安心です。
同じ品目でも、提示される金額は業者ごとに差があります。2〜3社に条件をそろえて見積もりを頼み、品目・量・運搬・処分の内訳を並べて突き合わせるのが確実です。品目ごとのより詳しい費用感は、各品目の一覧ページにも載せています。
具体的な業者の一覧は、手放したいモノや場面を選ぶと表示されます。よく選ばれるのは、パソコン・サーバー・複合機・オフィス家具・什器・金庫などのオフィス機器や、厨房機器・廃油、それにオフィス移転・店舗の閉店・原状回復といった撤去の場面です。品目ごとの処分のしかたや費用の目安は、全国共通の解説記事(パソコンの処分など)にもまとめています。
許可は山梨県と市のどちらが出すのですか
山梨県内の収集運搬(積替え・保管を含まないもの)は、原則として山梨県知事が許可を出します。例外は中核市の甲府市で、甲府市内だけで収集運搬する場合は甲府市長の許可になります。甲府市内で積替え・保管をおこなう場合は、甲府市長と県知事の両方の許可が必要です。
県内に政令指定都市はなく、県とは別に許可が関わるのは甲府市だけです。県知事許可の業者は県の名簿、甲府市長許可の業者は市の名簿で確認できるので、依頼する側が窓口の違いを気にする必要はありません。
山梨県の外に本社がある業者に頼んでも大丈夫ですか
かまいません。大切なのは業者の所在地ではなく、山梨県(または甲府市)の収集運搬の許可を持っていることと、自社が出すモノの区分に対応していることです。ただし現場から遠い業者は運搬費がかさみやすいので、近い業者もあわせて見積もると比べやすくなります。
問い合わせると、しつこい営業の連絡が来ませんか
来ません。産廃の窓口は業者を引き合わせるところまでが役目で、その先の営業には立ち入りません。連絡が来るのはあなた自身が選んで問い合わせた業者だけで、ほかの会社から一斉に営業がかかることもありません。
ごみが少量でも頼めますか
頼めます。産廃処理業者は少ない量からでも委託を受け付けます。運搬費や事務手数料といった固定費がかかるぶん、量が少ないと1点あたりは割高になりやすいものの、什器やほかの不用品と合わせて出せば無駄を減らせます。
「完全無料で回収」という業者に頼んでも平気ですか
その業者に産廃の許可があるか、マニフェストを発行してくれるかを必ず確かめてください。無料を売りにする業者のなかには処理を正規の経路に通していないところもあり、不適正な処理があれば委託した会社(排出事業者)が責任を負います。許可を持っているか、回収後にマニフェストが返ってくるかが見きわめの決め手になります。
山梨県で業者を選ぶなら、自社が出す品目に対応した許可があるか、引き取り現場に近いか、マニフェストを発行するか——この3点をおさえ、2〜3社に同じ条件で見積もりを取れば大きく外しません。品質の確かな相手から当たりたいときは、優良認定を受けた業者を目印にするのもよい方法です。
山梨県内の収集運搬は山梨県知事の許可でまかなえ、甲府市内だけで収集運搬したり市内で積替え保管したりする場合は甲府市が窓口に加わります。ただ、依頼する側はどちらの名簿でも許可を確認できるので、業者の所在地は気にしなくて大丈夫です。
捨てたいモノ・状況を選ぶと、山梨県に対応する業者の一覧へ進めます。掲載業者はすべて公的名簿で許可を確認済みなので、気になった業者へそのまま問い合わせてみてください。