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産業廃棄物と事業系一般廃棄物の違い

文:産廃の窓口編集部公開:2026年6月24日更新:2026年6月25日

「うちの会社から出るこのごみは、産業廃棄物? それとも普通のごみ?」——事業をしていると、こんな迷いが出てくることがあります。

事業活動から出る廃棄物は、大きく「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」の2つに分かれます。この2つは、処理を頼む業者も、出し方のルールも違います。違いを知らないまま、事業のごみを家庭ごみと同じように出してしまうと、思わぬトラブルにつながることもあります。

この記事では、廃棄物を処分したい事業者の方に向けて、「産業廃棄物と事業系一般廃棄物は何が違うのか」「自社のごみはどちらにあたるのか」「それぞれどう処理すればよいのか」を、整理して解説します。言葉は似ていますが、ポイントを押さえれば違いはシンプルです。

まず「廃棄物の分類」を知る

産業廃棄物と事業系一般廃棄物の違いを理解するには、まず廃棄物全体がどう分かれているかを知ると、すっきり整理できます。

廃棄物は「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分かれる

法律(廃棄物処理法)では、廃棄物を大きく次の2つに分けています。

  • 産業廃棄物事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法律で定められた種類(20種類のもの
  • 一般廃棄物産業廃棄物以外の廃棄物すべて

そして、一般廃棄物はさらに2つに分かれます。

  • 家庭系一般廃棄物家庭から出るごみ(いわゆる家庭ごみ)
  • 事業系一般廃棄物事業活動から出る廃棄物のうち、産業廃棄物にあたらないもの

つまり、事業活動から出るごみは、「産業廃棄物」か「事業系一般廃棄物」のどちらかに分かれる、ということです。この分かれ方を頭に入れておくと、自社のごみがどのルートで処理されるべきかを考えやすくなります。

産業廃棄物と事業系一般廃棄物の違い

事業系一般廃棄物とは

事業系一般廃棄物とは、「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、産業廃棄物に該当しないもの」です。たとえば、一般的なオフィスから出る紙くずや、飲食店から出る生ごみ(食べ残しなど)が、これにあたります。

ここでいう「事業活動」は、会社やお店だけでなく、病院・学校・官公署など、広く事業を行うところすべてを含みます。営利・非営利を問わず、事業から出るごみが対象になる、という点も押さえておきましょう。

「事業系廃棄物」という言葉との関係

事業活動から出る廃棄物全体をまとめて「事業系廃棄物」と呼ぶことがあります。この事業系廃棄物が、中身を見ると「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」の2つに分かれる、という関係です。

つまり、「事業系廃棄物」は事業から出るごみ全体を指す広い言葉で、そのうち法律で定める20種類が「産業廃棄物」、残りが「事業系一般廃棄物」になります。言葉が似ていて混同しやすいので、「事業から出るごみは、産廃か事業系一般廃棄物のどちらか」とシンプルに覚えておくとよいでしょう。

処理ルートが違う

産業廃棄物と事業系一般廃棄物のいちばん大きな違いは、「だれに、どう処理を頼むか」です。ここを間違えると、適正に処理できません。

廃棄物の区分を確認する様子

頼む業者の「許可」が違う

どちらの廃棄物も、処理を業者に頼むときは「許可を持つ業者」に委託します。ただし、必要な許可の種別が違います

  • 産業廃棄物産業廃棄物処理業の許可を持つ業者に委託する
  • 事業系一般廃棄物一般廃棄物処理業の許可を持つ業者に委託する(または自ら処理施設へ搬入する)

この2つは別々の許可です。「産業廃棄物の許可を持つ業者なら、事業系一般廃棄物も任せられる」とは限りません(両方の許可を持つ業者もあります)。自社のごみがどちらにあたるかを確かめ、それにあった許可を持つ業者を選ぶ必要があります。

もし、ごみの区分と業者の許可が合っていないと、適正な処理になりません。たとえば、産業廃棄物を一般廃棄物の許可しか持たない業者に渡しても、正しく処理されたことになりません。

業者に依頼するときは、「自社が出すのは産業廃棄物か、事業系一般廃棄物か」を伝えたうえで、その区分を扱える許可を持っているかを確認しましょう。

産業廃棄物は「委託契約とマニフェスト」が必要

産業廃棄物を委託するときは、書面での委託契約を結び、マニフェスト(管理票)で、最終処分まで適正に処理されたかを確認します。これは法律で定められた手続きです(くわしくは委託契約とマニフェストの基本)。

一方、事業系一般廃棄物では、産業廃棄物のようなマニフェストの仕組みは基本的に使いません。ただし、許可を持つ業者に委託し、有料で適正に処理してもらう点は同じです。処理のルールは自治体によって細かく異なるため、地域の案内を確認しましょう。

このように、産業廃棄物のほうが、委託契約やマニフェストなど手続きが多めです。

これは、産業廃棄物のなかには量が多いものや扱いに注意が必要なものが含まれるため、処理の流れをしっかり記録して管理するしくみになっているからです。

手続きが多いぶん、「最後まで適正に処理されたか」を確認できるようになっている、と考えるとよいでしょう。

どちらも「排出事業者の責任」は共通

産業廃棄物でも事業系一般廃棄物でも、共通する大切な原則があります。それは、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を、自らの責任で適正に処理しなければならない」ということです。

これは廃棄物処理法に定められた、すべての事業者に共通する責任(排出事業者責任)です。

言いかえると、ごみを業者に引き渡したあとも、「適正に処理されるところまで見届ける」のが事業者の役目だということです。

産業廃棄物・事業系一般廃棄物のどちらであっても、「許可を持つ業者に、きちんと委託する」という基本は変わりません。

違うのは、その業者が持つべき許可の種別と、産業廃棄物で必要になる委託契約・マニフェストといった手続きの有無です。

事業のごみは「家庭ごみ」として出せない

事業系一般廃棄物で、とくに気をつけたいのが「家庭ごみと同じように出してはいけない」という点です。

家庭ごみの集積場所には出せない

事業活動から出たごみは、たとえ家庭ごみと見た目が同じ紙くずや生ごみでも、家庭ごみの集積場所(ごみステーション)に出すことはできません。地域の資源集団回収や、店頭の資源回収ボックスも、原則として利用できません。

これは「事業のごみは、事業者が自らの責任で処理する」という原則があるためです。家庭ごみの回収は、家庭から出るごみを対象にした仕組みなので、事業のごみをそこに混ぜることはできないのです。住んでいる場所と店舗が同じ建物にあるような場合でも、事業から出たごみと家庭から出たごみは分けて考える必要があります。

では、どうやって処理するのか

事業系一般廃棄物の処理方法は、おもに次の2つです。

  • 自ら、自治体の処理施設へ搬入する
  • 一般廃棄物収集運搬の許可を受けた業者に委託して、有料で処理してもらう

多くの事業者は、後者の「許可業者への委託」を選びます。地域の許可業者と契約し、定期的に回収してもらう形が一般的です。家庭ごみのように決められた曜日に無料で回収されるわけではなく、有料での処理が基本になる点も、家庭ごみとの大きな違いです。

なお、事業系一般廃棄物の出し方や、契約できる許可業者については、自治体ごとに案内やルールが定められています

指定の袋を使う、決められた量までは自治体の施設で受け入れる、といった地域ごとの取り扱いもあります。まずは事業所のある自治体のごみ担当の案内を確認すると、自社に合った進め方が見えてきます。

「少量だから」「家庭ごみと同じだから」は通用しない

「うちは小さな店だから、出るごみもわずか」「中身は家庭ごみと変わらない」——そう思っても、事業から出たごみである以上、事業系一般廃棄物として適正に処理する必要があります。

量の多い少ないや、見た目が家庭ごみに似ているかどうかは、関係ありません。事業のごみは、事業者の責任で処理する。この基本を押さえておきましょう。

最初は手間に感じるかもしれませんが、地域の許可業者と契約してしまえば、あとは定期的に回収してもらえるので、負担はそれほど大きくありません。

自社のごみがどちらか見きわめる

「結局、うちのごみはどちらなのか」——ここがいちばん知りたいところだと思います。見きわめのポイントを整理します。

まずは「法律で定める20種類」にあたるか

自社のごみが産業廃棄物の20種類のどれかにあたれば、産業廃棄物です。廃プラスチック類、金属くず、がれき類、汚泥などが代表例です。これらにあたらず、産業廃棄物に該当しない事業のごみが、事業系一般廃棄物になります。

実務では、ひとつの事業所から、産業廃棄物と事業系一般廃棄物の両方が出ることもよくあります。

たとえば、製造の現場からは廃プラスチック類や金属くず(産業廃棄物)が出る一方で、事務所からは紙くずや生ごみ(事業系一般廃棄物)が出る、といった具合です。それぞれに合った処理ルートに分けて出すことが大切です。

両方が混ざってしまうと、どちらの業者にも適切に渡せなくなってしまうため、出る場所や区分ごとに分けておくと、その後の処理がスムーズになります。

同じ品目でも、業種で変わるものがある

ここで注意したいのが、「同じ品目でも、出た業種によって扱いが変わるもの」がある点です。

たとえば「紙くず」は、建設業や製紙・印刷などの特定の業種から出れば産業廃棄物ですが、一般的なオフィスから出れば事業系一般廃棄物になります。

「木くず」も同様で、建設業や木材・家具の製造業などから出れば産業廃棄物、それ以外の業種から出れば事業系一般廃棄物です。つまり、品目の名前だけでは決まらず、「自社の業種」とあわせて考える必要があります。

「同じ紙くずなのに、会社によって扱いが違うの?」と不思議に思うかもしれませんが、これは法律で業種ごとに決められているためです。自社の業種がこれらの特定業種にあてはまるかどうかが、判断の分かれ目になります。

迷ったら自治体や業者に確認を

産業廃棄物か事業系一般廃棄物かの見きわめは、業種や品目によっては判断に迷うことがあります。扱いを間違えると、適切な処理ルートに乗せられません。

判断に迷うときは、自己判断で決めず、自治体の廃棄物担当窓口や、許可を持つ処理業者に、自社の業種と具体的な品目を伝えて確認するのが確実です。

専門家に具体的に伝えれば、そのごみがどちらにあたり、どう処理すればよいかを教えてもらえます。

とくに、事業系一般廃棄物については、地域ごとにルールや出し方が異なるため、事業所のある自治体の案内を確認することをおすすめします。

よくある質問

Q. 産業廃棄物と事業系一般廃棄物の、いちばんの違いは何ですか。

A. 事業活動から出る廃棄物のうち、法律で定める20種類にあたるものが産業廃棄物、それ以外が事業系一般廃棄物です。処理を頼む業者の許可の種別や、出し方のルールが異なります。

Q. 小さな事務所のごみも、家庭ごみとして出してはいけないのですか。

A. はい。事業活動から出たごみは、量の多い少ないや見た目に関わらず、家庭ごみの集積場所には出せません。事業者が自らの責任で、適正に処理する必要があります。

Q. 事業系一般廃棄物は、どう処理すればよいですか。

A. 自ら自治体の処理施設へ搬入するか、一般廃棄物収集運搬の許可を受けた業者に委託して、有料で処理してもらいます。多くの事業者は、地域の許可業者と契約して回収してもらっています。

Q. オフィスの紙くずは、産業廃棄物ですか。

A. 一般的なオフィスから出る紙くずは、事業系一般廃棄物として扱われるのが基本です。紙くずが産業廃棄物になるのは、建設業や製紙・印刷などの特定の業種から出た場合です。

Q. 自社のごみがどちらかわからないときは、どうすればよいですか。

A. 自己判断せず、自治体の廃棄物担当窓口や、許可を持つ処理業者に、自社の業種と具体的な品目を伝えて確認するのが確実です。事業系一般廃棄物は地域でルールが異なるため、自治体の案内もあわせて確認しましょう。

ひとつの事業所から産業廃棄物と事業系一般廃棄物の両方が出ることもあるので、品目ごとに分けて考えるとわかりやすくなります。

まとめ:まず「どちらのごみか」を見きわめる

事業のごみを正しく処理する第一歩は、「産業廃棄物なのか、事業系一般廃棄物なのか」を見きわめることです。最後にポイントを整理します。

  • 分類事業活動から出るごみは、法律で定める20種類にあたる「産業廃棄物」か、それ以外の「事業系一般廃棄物」かに分かれる。
  • 処理ルート産業廃棄物は産業廃棄物処理業の許可業者へ(委託契約とマニフェストが必要)。事業系一般廃棄物は一般廃棄物処理業の許可業者へ、または自ら施設へ搬入する。許可の種別が違う。
  • 家庭ごみには出せない事業のごみは、量や見た目に関わらず、家庭ごみの集積場所には出せない。
  • 共通する原則どちらも、事業者が自らの責任で適正に処理する。
  • 業種で変わる品目紙くず・木くずなどは、出た業種によって扱いが変わる。

自社のごみがどちらにあたるかがわかれば、どんな許可を持つ業者に頼めばよいかも見えてきます。

逆に、この見きわめをあいまいにしたまま処理を進めてしまうと、許可の合わない業者に頼んでしまうなど、思わぬトラブルにつながりかねません。

判断に迷うときは、自治体や許可業者に、自社の業種と品目を伝えて確認しましょう。最初に区分をはっきりさせておくことが、安心して処理を続ける土台になります。

産業廃棄物の20種類のくわしい内容や、パソコンの処分など品目ごとの具体的な処分方法は、それぞれの解説記事にまとめています。

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本記事は産廃の窓口編集部が、環境省・経済産業省などの公的資料や関係法令をもとに作成した一般的な情報提供です。 特定の処理方法・費用・法的判断を保証するものではありません。許可の有無や制度の詳細、料金は、必ず各自治体・公式情報および各事業者へ直接ご確認ください。 掲載内容は記事作成・更新時点のものです。

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