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産業廃棄物処理業の許可と優良認定とは

文:産廃の窓口編集部公開:2026年6月24日更新:2026年6月25日

産業廃棄物の処分を業者に頼むとき、「この業者に任せて大丈夫だろうか」と不安になることがあります。そんなとき、ひとつの目安になるのが「許可」と「優良認定」です。

産業廃棄物を集めて運んだり、処理したりする仕事は、だれでも自由にできるわけではありません。都道府県(または政令市)の許可を受けた業者だけが行えます。さらに、その許可業者のなかでも、厳しい基準を満たした業者には「優良認定」という公的なお墨付きがあります。

産業廃棄物を処分したい事業者の方に向けて、「許可とはどういうものか」「依頼前に何を確認すればよいか」「優良認定をどう業者選びに使えばよいか」を解説します。

産業廃棄物処理業の許可とは

産業廃棄物を扱う仕事には、法律で許可が必要です。許可のない業者に処分を頼んでしまうと、頼んだ側(排出事業者)も責任を問われることがあります。

「運ぶ」と「処理する」は別の許可

産業廃棄物の処理は、大きく次の2つに分かれます。

  • 収集運搬業廃棄物を集めて、処理する場所まで運ぶ仕事
  • 処分業運ばれてきた廃棄物を、中間処理(焼却・破砕・脱水など)したり、最終処分(埋め立て)したりする仕事

この2つはそれぞれ別の許可です。「運ぶ許可」を持っているからといって「処理する許可」も持っているとは限りません。1社で両方の許可を持つ業者もいれば、運搬だけを行う業者もいます。

廃棄物の種類によっても分かれる

許可は、扱える廃棄物の種類ごとに範囲が決まっています。たとえば「がれき類は運べるが、廃プラスチックは範囲外」というように、業者ごとに対応できる品目が違います。

また、感染性廃棄物やアスベスト(廃石綿等)などの特別管理産業廃棄物は、通常の産業廃棄物とは別の許可が必要です。危険性が高いぶん、より厳しい基準が設けられています。

許可を出すのは都道府県や政令市

産業廃棄物処理業の許可を出すのは、都道府県知事です(政令市などでは市長が出します)。国がまとめて出すのではなく、地域ごとに審査して許可しています。

とくに収集運搬業では、廃棄物を積む場所と降ろす場所の、それぞれを管轄する自治体の許可が必要です。たとえば県をまたいで運ぶ場合は、出発地と到着地の両方の許可がいります。そのため、広い範囲で活動する業者は、複数の自治体の許可を持っています。

「積替え・保管」の有無でも分かれる

収集運搬業は、運ぶ途中で廃棄物をいったん別の場所に降ろして積み替えたり、一時的に保管したりするかどうかでも、許可の区分が分かれます。「積替え・保管を含む」収集運搬は、その場所の管理が適切かどうかも審査されるため、より細かい基準が設けられています。

依頼する側がこの区分を細かく理解しておく必要はありませんが、「収集運搬といっても、いくつかの区分がある」ということだけ知っておくと、業者の説明を理解しやすくなります。大切なのは、自社が出す廃棄物を運んで(処理して)もらえる許可を、その業者が持っているかどうかです。

依頼前に許可をどう確認するか

業者に処分を頼む前に、その業者が自社の廃棄物にあった許可を持っているかを確認しておくと安心です。むずかしい手続きではありません。確認するポイントを整理します。

許可証の内容を確認する様子

対象の品目が許可の範囲に入っているか

まず確認したいのが、自社が出す廃棄物の種類が、その業者の許可の範囲に含まれているかです。前の章で見たとおり、許可は廃棄物の種類ごとに範囲が決まっています。「いつも頼んでいる業者だから大丈夫」と思っていても、新しく出すようになった品目が範囲外だった、ということもあり得ます。

業者に依頼するときは、「うちが出すこの廃棄物を運んで(処理して)もらえますか」と品目を具体的に伝え、許可の範囲に入っているかを確認しましょう。

許可証で確かめられること

許可を持つ業者は、許可証を持っています。許可証には、許可の番号、業の区分(収集運搬か処分か)、扱える廃棄物の種類、有効期間などが記載されています。委託契約を結ぶときには、この許可証の写しを受け取り、内容を確認します。

確認のポイントは次のとおりです。

  • 自社が出す品目が、扱える廃棄物の種類に入っているか
  • 収集運搬を頼むなら収集運搬業、処理を頼むなら処分業の許可か
  • 許可の有効期間が切れていないか

許可には有効期間がある

産業廃棄物処理業の許可は、一度取れば一生有効というものではありません。一定期間ごとに更新が必要で、通常は5年ごとに更新します。更新を受けていない(期限切れの)状態では、適正な業者とはいえません。許可証の有効期間も、あわせて確認しておきましょう。

なお、自治体によっては、許可を持つ業者の一覧をインターネットで公表しています。気になる業者がきちんと許可を受けているかは、こうした情報でも確かめられます。

確認は「めんどう」ではなく「自社を守るため」

これらの確認は、一見すると手間に感じるかもしれません。しかし、適正な許可を持つ業者に委託することは、頼んだ側(排出事業者)自身を守ることにつながります。万一、無許可の業者や範囲外の業者に委託してしまうと、頼んだ側も責任を問われることがあるためです。

逆にいえば、最初に許可をきちんと確認しておけば、あとは安心してその業者に任せられます。とくに、定期的に廃棄物が出る事業では、一度信頼できる業者を見つけておくと、その後の処分がぐっと楽になります。最初のひと手間が、長く続く安心につながると考えるとよいでしょう。

優良認定(優良産廃処理業者認定制度)とは

許可業者のなかでも、とくにしっかりした業者を見分ける目安になるのが「優良認定」です。正式には「優良産廃処理業者認定制度」といいます。

優良認定の5つの基準

通常より厳しい基準を満たした業者を認定する制度

優良認定は、通常の許可基準よりも厳しい基準に適合した優良な産廃処理業者を、都道府県・政令市が審査して認定する制度です。廃棄物処理法の改正にもとづいて作られ、平成23年(2011年)から運用されています。

つまり、「許可を持っている」というだけでなく、「許可業者のなかでも、さらに高い基準をクリアしている」と公的に認められた業者だということです。

認定の5つの基準

優良認定を受けるには、おもに次の5つの基準を満たす必要があります。

  • 遵法性法律をきちんと守って事業を続けてきたこと
  • 事業の透明性会社の情報や事業の内容などを、インターネットで公表していること
  • 環境配慮の取組環境マネジメントに関する認証を受けるなど、環境に配慮した取り組みをしていること
  • 電子マニフェスト電子マニフェストに対応していること
  • 財務体質の健全性経営が安定していること

これらは、いずれも「適正に、そして安定して処理を続けられる業者か」を見るための基準です。たとえば「遵法性」は過去にきちんと法律を守ってきたかを、「財務体質の健全性」は経営が安定して続けられるかを見ています。

一時的に基準を満たすだけでなく、これまでの実績や継続性も含めて審査される点が、優良認定の特徴です。

だからこそ、認定を受けている業者は「これまでも、これからも、きちんと処理を続けてくれそうだ」という安心感につながります。

許可の有効期間が長くなる

優良認定を受けた業者は、許可の有効期間が通常の5年から7年に延長されます。これは、認定を受けた業者にとってのメリットのひとつです。

このほかにも、認定業者は許可証などを使って「優良な業者である」ことをアピールでき、国などが行う産業廃棄物の処理契約で有利に扱われる、といった利点があります。

認定業者の情報は公開されている

優良認定の基準のひとつに「事業の透明性」があるとおり、認定を受けた業者は、会社の情報や事業の内容をインターネットで公開しています。どの業者が優良認定を受けているかも、公的な情報として確認できるようになっています。

これは、業者を探す側にとってもありがたいしくみです。「優良認定を受けている」という事実だけでなく、その業者がどんな処理をしているのか、どんな実績があるのかといった情報も、あわせて確認できるからです。料金だけでは見えにくい「業者の中身」を知る手がかりになります。

優良認定を業者選びにどう使うか

優良認定は、業者を選ぶときの心強い目安になります。ただし、使い方には少しコツがあります。排出事業者の立場での考え方を整理します。

「迷ったときの後押し」として使う

複数の業者から見積もりを取って迷ったとき、優良認定を受けているかどうかは、判断材料のひとつになります。優良認定は、自治体が厳しい基準で審査したうえでの公的なお墨付きです。「法律をきちんと守り、情報を公開し、経営も安定している」と認められた業者なら、安心して任せやすいといえます。

認定がなくても適正な業者は多い

一方で、注意したいのは「優良認定がない業者=悪い業者、ではない」ということです。

優良認定は、あくまで許可業者のなかで「さらに高い基準を満たした業者」に与えられるものです。認定を受けていなくても、許可をきちんと持ち、適正に処理している業者はたくさんあります。とくに地域に根ざした業者では、認定の申請をしていないだけ、というケースも少なくありません。

ですから、優良認定は「あれば、より安心できる」というプラスの目安として使い、なければ即除外、という使い方はしないのがおすすめです。

まずは「許可」、次に「優良認定」

業者選びの順番としては、次のように考えるとわかりやすいでしょう。

  • 必ず確認すること自社の品目にあった許可を、有効期間内で持っているか
  • あればより安心な目安優良認定を受けているか

つまり、許可は「ないと困る必須条件」、優良認定は「あれば安心の追加情報」という位置づけです。この2つを上手に使い分けることで、信頼できる委託先を選びやすくなります。

料金だけで決めないために

業者を選ぶとき、どうしても気になるのは料金です。もちろん料金は大切ですが、安さだけで決めてしまうと、あとから「対応が雑だった」「必要な書類がそろわなかった」といったトラブルにつながることもあります。

許可の内容や優良認定は、料金表には表れない「業者の信頼性」を見るための情報です。複数の業者を比べるときは、料金とあわせて、許可の範囲・有効期間、そして優良認定の有無も確認してみてください。総合的に見て納得できる業者を選ぶことが、結果的にいちばんの安心と満足につながります。

よくある質問

Q. 許可を持っていない業者に頼むと、どうなりますか。

A. 許可のない業者に処分を委託することは、法律で禁じられています。頼んだ側(排出事業者)も責任を問われることがあります。委託の前には、必ず許可の有無と内容を確認しましょう。

Q. 「収集運搬業」と「処分業」、どちらの許可を確認すればよいですか。

A. 何を頼むかによります。運搬を頼むなら収集運搬業、処理(焼却・破砕・埋め立てなど)を頼むなら処分業の許可が必要です。運搬から処理まで一括で頼む場合は、運搬する業者と処理する業者それぞれの許可を確認します。

Q. 優良認定を受けていない業者は、避けたほうがよいですか。

A. そうとは限りません。優良認定は許可業者のなかでも高い基準を満たした業者に与えられるもので、認定がなくても適正に処理している業者は数多くあります。優良認定は「あればより安心」という目安として使い、まずは許可の有無と内容を確認するのがおすすめです。

Q. 業者が許可を持っているか、自分で調べられますか。

A. はい。委託契約のときに許可証の写しを受け取って確認できます。また、自治体によっては許可業者の一覧をインターネットで公表しているので、そちらでも確かめられます。

Q. 優良認定を受けると、何が変わるのですか。

A. 認定を受けた業者は、許可の有効期間が通常の5年から7年に延長されます。また、許可証などを使って優良な業者であることをアピールできるなどの利点があります。

まとめ:許可は必須、優良認定はプラスの安心

産業廃棄物の処分を頼むときは、業者の「許可」と「優良認定」を確認することが、信頼できる委託先選びの第一歩です。最後にポイントを整理します。

  • 許可は必ず確認する産廃処理業は都道府県・政令市の許可が必要。「収集運搬」と「処分」は別の許可で、扱える廃棄物の種類も決まっている。自社の品目にあった許可を、有効期間内で持っているかを確かめる。
  • 優良認定はプラスの目安通常より厳しい基準を満たした業者に与えられる公的なお墨付き。あればより安心できるが、認定がなくても適正な業者は多い。
  • 使い分けが大切許可は「ないと困る必須条件」、優良認定は「あれば安心の追加情報」。この2つを上手に使い分ける。

業者選びは、つい料金だけで決めてしまいがちです。しかし、許可の内容をきちんと確認し、優良認定のような目安も参考にすることで、安心して長く付き合える委託先が見つけやすくなります。

最初に少し手間をかけて確認しておけば、その後の処分は同じ業者に安心して任せられます。とくに廃棄物が定期的に出る事業では、信頼できる委託先をひとつ見つけておくことが、日々の負担を軽くする近道になります。

委託の際に取り交わす委託契約とマニフェストの進め方も、あわせて確認しておくと手続きがスムーズです。

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本記事は産廃の窓口編集部が、環境省・経済産業省などの公的資料や関係法令をもとに作成した一般的な情報提供です。 特定の処理方法・費用・法的判断を保証するものではありません。許可の有無や制度の詳細、料金は、必ず各自治体・公式情報および各事業者へ直接ご確認ください。 掲載内容は記事作成・更新時点のものです。

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